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| ■第1部 (観察や実験の記録) |
| 【物理】 |
| 日常生活の身近なところで,不思議に思ったことに対して,予想を立て,実験観察を工夫して解きあかしていった多くの作品がありました。マニュアル本を参考にした作品もみられますが,実際に丁寧に実験を工夫して取り組んでいる作品が多くなってきていることは,喜ばしいことです。 ただ,たいへんな熱意と根気を要するような大作が少なかったのは,ちょっと寂しい感じがします。そのなかで6年生の「飛べ!熱気球!!2」の研究は,昨年の反省を生かし,「熱気球を飛ばすぞ」という情熱と努力が感じられるたいへんすばらしい作品です。身近なことに疑問をもつ柔らかい心と,根気強くそれを追求し,実験観察を通して調べ,考察することを大切にしていってほしいものです。 |
| 【化学】 |
| がんばっている作品が多く,去年に比べ低学年の作品が増えています。来年は,一層すばらしい作品に発展することを期待しています。全体的に見ると,着眼点のよい作品が多くありましたが,塩,紫キャベツ,水質調査など,同じような研究も目立ちました。独自の視点に立って研究を進めることが大切だと思います。また,写真そのままやサンプルそのままを結果として表示し考察が少ない作品もありました。表やグラフなどを工夫し,しっかりとした考察を行い自分なりのまとめ方をするとさらにすばらしい作品になります。化学実験は,後でだれか他の人が同じ実験を再現できるように,また,実験のやり方や条件を他の人がわかるようにくわしく書くようにしましょう。市販の指示薬を使って実験している作品もいくつかありましたが,指示薬がどのように働いているかにも興味をもって使うと結果に対する考察がしっかりしてくると思います。これからも良い研究が出品されることを期待しております。 |
| 【生物】 |
| 時間をかけてていねいに調査研究が行なわれている作品が数多く見られました。その反面,レポートのまとめ方が十分でないものが目につきました。結果の表し方を工夫するとともに,結果からどういうことが考えられるかという考察をしっかり行ってほしいと思います。 植物を扱った研究では,低・中学年で良い作品が見られました。それらは,観察結果を写真だけでなく,スケッチや図などを使いわかりやすい形でまとめています。また研究を進めながら新たな課題や疑問を見つけ深く追求しようとする姿が見られました。もの作りを扱った作品が多くなってきましたが,何を調べたいのかねらいを明確にして取り組むことが大切です。 昆虫や動物の観察記録では,自然の状態での動物の行動や暮らし方をまず観察した上で,実験等を組み立ててほしいと思います。例えばアリのエサに対する行動の実験観察では,砂糖やアメを与える例が多く目立ちますが,アリは自然状態ではいったい何を餌にしているのかをまずよく観察して下さい。写真による記録については本当に必要な場面だけにとどめ,数値の記録を優先してほしいと思います。 |
| 【地学】 |
| 昨年より,出品数が増えました。特に,気温測定や雲の観察などが多く見られました。気温と絡めて環境問題を取り上げたテーマも見られました。観測した結果を踏まえてまとめた作品が出品され,根気よく研究された努力作品が多かったようです。しかし,苦労して結果を出している割に考察やまとめの段階で詰め切れていない作品があり,残念でした。研究では,データの比較の方法として,できるだけ数量的なデータで表し,図や説明を利用して,見ている人にわかりやすく工夫するとよい考察に結びつきます。また,写真やグラフなどでさらに具体的に提示できるとまとまりよく構成されるでしょう。さらに,結果を考察した後で,近年,インターネットを使って調べている作品が多くなりました。また,調べてから疑問に感じたことを検証していく手法も良い方法だと思います。ただし,調べるだけ終わってしまうことになりがちなので注意しましょう。 実験の方法については,条件をしっかりおさえていくことが大切です。何を比較していこうとしているのかが分かるようになるとよいと思います。 来年もすばらしい作品が多く出品されることを期待しています。 |
| ■第2部 (生物・岩石・鉱物・化石などの標本類) |
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| 【動物標本】 | ||
| 標本作成の技術が向上し,仕上がりの良いものが多くみられました。採集については目的を持って取り組み,動物の生息地域にポイントを絞ったりして,独自のテーマをかかげた作品にまとめる工夫がほしいところです。希少種の標本も結構見られました。希少種への配慮や,同種個体を同時に多数採集するのは控えるようにすることは,採集者のモラルとして大事なことですので,気をつけて下さい。貝の標本では,その場所に生息している貝を採集して標本にし,摩耗が激しく同定が困難なものは,はずすべきでしょう。標本は後から調べ直すこともあるので,ラベルの作成をきちんと行なうことは大事です。 | ||
| 【植物標本】 | ||
「科学的な記録」として押し葉標本を作る場合,美術作品などを作るのと違った注意点があります。採集した植物の特徴をできる限り長い期間残すこと,その植物は「何という種類」で「いつ」「どこに」生育していて「だれが」採集したのかをはっきり示すことなどが大切です。そのため,根や花のついた状態でていねいに押すことや台紙にとめ紙とノリで固定すること,ラベルに誰でもわかるように必要なことを記入することといった基本的なルールを守ってほしいと思います。初めて取り組む人やなかなかうまくいかない人は,ぜひ科学館に相談してみてください。また夏だけの採集にとどまらず,テーマを持って年間を通した採集を心がけると良いでしょう。
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| 【岩石・鉱物・化石標本】 | ||
| 標本製作の基本やクリーニングなどについては,多くの作品がよくできていますが,何のために化石や鉱物を採集したのかがはっきりしないものがありました。また,化石と鉱物がまじった標本や,化石だけであっても時代や種類がまったく異なる標本がいくつかありました。標本を集める目的をはっきりさせ,ねらいをしっかり絞り,対象とする産地で時間をかけて地道に資料を収集してほしいと思います。また,産地の様子やどこで採集したかという産地の情報,産地に関する当時の環境やまとめられた標本に基づいて考えられたことなどをレポートにしてまとめていくと標本製作の意図がより明確になると思います。昨年度の標本をあわせてまとめている作品もありますが,初めて出品する場合以外は,比較とする標本程度にとどめるほうがよいと思います。 |
| ■第3部 (創意・工夫のある科学工作) |
| 主体的に取り組み,試作を重ねながら,自分なりの工夫を盛り込んだ作品が多く見受けられることは大変喜ばしいことです。試作の過程を記録し,不具合を一つ一つ解決しながら完成させる姿勢は今後も持ち続けて欲しいと思います。その一方で,マニュアル本に載っているとおりの作品やキットそのものといった作品が散見されるのは,少々残念です。 自分なりの工夫を何か一つ盛り込むことによって,いい作品になると思います。 電池を使った作品については,配線を確実にして接触不良をなくす努力をしてください。全体の作りがしっかりしていないために,せっかくのアイディアが生かし切れていない作品が見受けられます。材料の選定や部品の固定に気を配り,完成度を高める努力をして欲しいと思います。 |